Bluetoothヘッドホン SONY MDR-1ABTを買ってaptXでiMacと接続して使う
Bluetoothヘッドホンを買ってみた。MDR-1ABT。
- 密閉型。
- Bluetoothなので無線。でも有線にもできる。
- コーデックはSBC、AAC、aptX、LDACに対応している。
- ハイレゾ対応(無線の場合はLDAC、有線の場合は付属のケーブルを使う)。
- 充電はmicroUSBで、4時間充電で30時間再生。
- タッチセンサーをダブルタップしたり上下左右にスワイプしたりすると再生コントロールできる。
- NFCでペアリングできる。
- マイク搭載なので、通話もできる。
- ノイズキャンセルは無し。
- 携帯用ポーチ付き。
まあこんな感じの製品。
黒とシルバーがあって、今回は黒を選んだ。黒はシンプルで目立たなくて良かったけど、逆にシルバーはカッコイイのでそっちもいいと思う。
家で使う用
今回はiPhoneなどじゃなく、自宅のiMacと接続して使う家用のヘッドホンとして買った。
以前は、MacでDTM的な音楽制作とかもやってたので、無線のヘッドホンなんてまずあり得なかった。圧縮による音質劣化もあるし、遅延でタイミングが合わせられないし。普通に定番のMDR-CD900STを使っていた。たぶん10年以上。
モニターヘッドホンはリスニング用途には向いてないとかよく言われるけど、結構モニター的な聞こえ方が好きで、モニター用途にも普通に音楽を聴くのもヘッドホンはだいたいこれを使ってた。
だけど最近は、もうDTMはほとんどやらなくなったので、単に音楽やポッドキャストを聴いたり動画を見たりするだけになった。だから圧縮も遅延も、ある程度は許容できる。そんなことよりもケーブルが無いというのは大きな魅力。
ってことで、Bluetoothで、音質よりも利便性と着け心地を重視したヘッドホンを探して、このMDR-1ABTに決めた。
aptX
iMacにつないで使うわけだけど、コーデックはaptXを使いたい。
音質は重視しないとはいえ、遅延は少ない方がいい。ヘッドホンの遅延ってのは、音源(今回はiMac)が音を出力してから、実際に音がなるまでのタイムラグのこと。有線接続なら遅延は無いけど、無線の場合は音をエンコードしてデータをBluetoothで飛ばして受け取ったデータをデコードする処理があるので、遅延する。
しかし動画を見ていて声が遅れてきたりすると気持ち悪いから、なるべく遅延が少ない方式で接続したい。調べた感じでは、SBCの遅延は約220ms、AACは約120ms、aptXは約70msとのこと。
aptX頑張ってる。
MDR-1ABTはもちろんaptX対応なのでいいけど、iMac側の対応状況はどうなのか。ちなみにiPhoneやiPadは、SBCとAACには対応してるけどaptXは対応してない。
どうやらiMacには、aptXは機能としては入ってるけど、使わない設定になってるとのこと。それを有効にするには、Appleが開発者向けに提供している「Hardware IO Tools for Xcode」というツールを使うらしい。ググればやり方はいくらでも出てくる。
実際に試してみた。
まず何もしないでいきなりiMacとMDR-1ABTをペアリングすると、SBCになった(optionキーを押しながらメニューバーのBluetoothアイコンをクリックしてメニューを開くと確認できる)。
そしてこのツールで「Force use of aptX」を有効にして、ペアリングをやり直す。
おおお、aptXになった。そして確かに遅延も減った気がする。
これくらいの低遅延なら、動画を見るときの映像と音のズレは、まず気にならない。
着け心地
これを買う前に、お店でいろいろなBluetoothヘッドホンを実際に装着してみて、着け心地を確認したんだけど、このMDR-1ABTはふんわりしていてとても良かった。
基本的にワイヤレスのヘッドホンは、外を移動中などに使うことを想定して、落ちにくいようにしてるためか、多くの製品で挟む力が強めに感じた。しかし今回は家で使いたい。長時間使うこともあると思う。そんな中でMDR-1ABTは挟む力が優しい。
あと、メガネの人はわかると思うけど、挟む力が強いと痛いよね。そういう意味でも優しいのを使いたい。
ただし、密閉型なので、夏は暑くなるのが難点ではある。
ちなみに、MDR-1ABTとよく似た仕様(ちょっと違うけど)で、Bluetooth機能を持たないMDR-1Aというのがあって、これがさらにいい着け心地だった。MDR-1ABTとほとんど同じだけど、たぶんBluetoothの通信機能やバッテリーが無いから軽くなっていて、すごくよかった。有線なので今回は関係ないけど、有線で着け心地のいいヘッドホン探してる人は試してみて欲しい。
音質はどうか
LDACなどのハイレゾ環境では試してないので、解像感とか圧縮による劣化の話はよくわかんない。
音の作り方って意味では、うまく表現できないけどキレイにまとめたスッキリ系って感じ。ソニーのダイナミック型には多いタイプだと思う。個人的にソニーのこういう感じは以前から好きで、イヤホンを買うときもいつもこういうのを選んでる。
低音はもう少し出てもいいかも知れないとは思うけど、これはエージング(または人間側の慣れ)が進めば解消される程度なのかな。でも低音が出すぎるのは好きじゃ無いので、ちょうどいいところまで行ってくれればいいなと思う。
ワイヤレスなのでタッチノイズがなくて快適
イヤホンやヘッドホンでいつもタッチノイズが気になってた。ケーブルがどこかに当たったりしたときに、物理的な音が聞こえる問題。
これが結構イヤだった。今まで、家で使ってるヘッドホンは、アンプに挿したケーブルをいったん高いところに上げて引っかけて、そこから降ろしてきてヘッドホン本体がつながってる感じにして、なるべくケーブルがどこにも当たらないようにしていた。非常に不便。
しかし超当たり前だけど、ワイヤレスならタッチノイズの問題がない。首を好きに動かしてもガサガサうるさくない。これはいい。
タッチセンサー
右側がタッチセンサーになっていて、再生、停止、音量調整、曲送りなどができる。
これがたまたま触っちゃっても誤発動するっていうレビューもあるけど、自分はこれは便利だと思った。
ヘルプガイド | 音楽再生時にできること(BLUETOOTH接続)
ただ、ダブルタップで再生/一時停止という操作をするときに、タップしたときの物理的な音が右耳にダイレクトに来るのが微妙ではある。ダンダン!って感じでうるさい。かなりソフトタッチで操作する練習をした方がいい。
充電
microUSBで充電できる。たまにminiBの機種とかもあるけど、いまどきmicroUSBの方がいいよね、その辺に適当にケーブル転がってるのですぐ充電できる。
注意すべきは、充電しながら使うには有線接続が必要ということ。言い換えれば、充電中は無線は切れて、有線のみになる。まあどうせケーブルをつないで充電するんだからいいじゃんっていう考え方なのかも知れないけど。
それから、Macで電池残量を確認できないのが残念だった。iPhoneにペアリングするとiPhone側で残量がわかるのに、Macではできないらしい。MacがBluetoothのHFP(Hands-free Profile)に対応してないからだと思う。
残量はヘッドホン側のボタンを押すとLEDの光り方でもわかるのでこちらを使うか、頻繁に充電しておいて残量を気にしない運用にするか、ってところかな。
よかった
使ってる人にはイマサラの話なんだろうけど、ヘッドホンがワイヤレスなのはホントに便利。もっと早く使ってればよかった。劣化や遅延などが少しも許されないような特別な作業(音楽制作、動画編集、リズムゲームなど)をするとき以外は、積極的にワイヤレスを使っていきたい。
音質も十分に問題ないし、着け心地も良いので、満足度は高い。まあ、高級オーディオ機器とかではないけど値段は安いわけじゃない(ソニーのBluetoothヘッドホンの中では一番高い)ので、期待を裏切らないくらいの満足度って感じ。
そんなわけで、beatsあたりでBluetoothヘッドホンを探してる人はこれも候補に入れて試してみればいいと思う。