iTunes Matchやってみた
日本でもiTunes Matchのサービスが始まったので、早速やってみた。大変だった。
まだ情報が錯綜していて、間違ってることもあるかも知れないけど。
iTunes Matchとは何か
まあ詳しい説明は他の記事を読んでみて欲しいけど、カンタンに言うと
- PC/Macに入ってる音楽ライブラリを、iCloudに持っていくサービス
- すでにiTunes Storeで取り扱ってる曲なら、そっちの音楽データが利用される
- ファイルをアップロードしないで「この曲を持ってますよ」っていう情報だけをiCloudに登録するので、処理が速い
- 自分が持ってる曲は128kbpsのmp3だとしても、iTunes Storeで扱ってる256kbpsのAACをもらえる
- 音楽データはDRMがかかってないので、Apple製品じゃない機器でも再生可能
- iTunes Storeで扱ってない曲は、仕方ないのでファイルがそのままiCloudにアップロードされる
- 3,980円/年
こんな感じ。つまり、年間約4,000円払えば、音楽ライブラリのバックアップが取れて、しかもiPhone/iPad/Apple TVからも再生できて、音質が256kbpsになるということ。
すばらしいけど今まで日本ではサービスが提供されてなかった。以前は「2012年中には開始する」とか言ってたけど結局始まってなかった。それが、2014年5月2日、ついに開始されたというわけ。
やってみたけどマッチが終わらない
さっそく、5月3日にiTunes Matchに加入して、やってみた。
iTunes Matchはその名の通り、マッチが重要。音楽ライブラリのデータをそのままiCloudにアップロードするのではなくて、iTunes Storeで扱ってる曲と、自分の音楽ライブラリの曲をマッチング処理して、同じ曲ならアップロードはせずに、iTunes Storeのデータをそのまま利用させてくれる。だからアップロードにかかる通信の時間とか、容量の消費が抑えられるし、自分で適当にリッピングするよりも音質が良くなる(こだわってリッピングしてる人は困るだろうけど)。
そのマッチング処理がさっそく始まった。しかしこれが長い。。。ていうか止まってる気がする。。。
Twitter上で検索してみると、同じ状況の人が多数いるらしい。
- 停止してもう一度開始すると進む
- iTunes Matchをオフにしてもう一度オンにすると進む
- サインアウトしてもう一度サインインすると進む
- Geniusをオフにしてもう一度オンにすると進む
などなどいろんな話が出てくる。確かに進む気がするけど、それでも進まないところもあったりする。
他には、
というのもあった。つまり、特定の曲を処理するときに止まるってことなのかな。そしてそれを外せば行くと。そりゃそうか。
しかし、特定の曲を外して進めるというのはやりたくなかった。それじゃ終わったとしても終わったことにならないし、ユーザーがそんな苦労をしなきゃいけないはずがない。そこで自分は、「全曲まとめて処理完了」にこだわった。
そのこだわりのせいか、いつまでも進まない感じで5月3日、4日、5日がすぎた。何度やり直しても止まる。
マッチ完了
ところが5月6日、もうあきらめて止まってる状態のiTunes Matchを放置して外出していた。そして午後に帰宅したら、なんとマッチが終わってる。
この画面が出たときのパンパカパーン感たるや。三日三晩できなかったやつが一気にできたわけで。
Twitter上で検索してみると、同様にマッチが完了するようになった人が多数。これはなんかApple側が改善したのかな。
よかったよかった。
結果
いくつか曲を整理して数値は変わってるけど、今のところこんな感じ。
ライブラリ総数 | 約4,500 |
マッチした | 約2,500 |
アップロードした | 約1,500 |
不適格 | 約100 |
複製 | 約50 |
不適格というのは、ビットレートが低すぎるとか、他に何らかの理由で、iCloudに載せてもらえない曲のことらしい。マッチしなくてもアップロードでいいからやって欲しいところなんだけど、なんかダメらしい。
複製というのは、シングル、アルバム、ベストアルバムなどで、音の波形的に同じ物が複数ある場合にこうなるみたい。これは納得いかない。全く同じでもいいから、iCloudに載せて欲しい。けどそういう仕様とのこと。
自分なりのコツ
もう一度マッチさせ直したいときなどに、また処理が止まってしまうことがある。そんなとき、自分の場合は、
- 停止
- Store → Genius をアップデート
- Store → iTunes Match をアップデート
この手順でやると簡単にうまくいくっぽいので、ジンクス的にこのやり方でやってる。本当に効果があるのかどうかは知らない。
iTunesオススメの設定
表示→表示オプションを表示
のメニュー(「表示」ばっかりで変なメニューだこと)で、iTunesの画面に表示する列を指定できる。ここで
あたりを表示させておくと、iTunes Matchがどんな感じなのかが曲ごとにわかる。
表示された列の見出し部分をクリックしてソートすれば、マッチしないでアップロードした曲がどれくらいあるかとか、そういう視点でも把握できる。
iPhone側の設定
iPhoneの設定→iTunes & App Store→iTunes Matchをオンにして、その下のモバイルデータ通信もオンにする。これで、Wi-Fiでもケータイの回線でも、iPhoneでストリーミングで音楽が聴ける。
しかし、これをやると、iPhoneのミュージックアプリが、iTunes Matchのクライアントとして特化されたモードになり、もう従来の音楽を同期して入れるやり方ができなくなる。しかも、その時点で同期して入れていた音楽データが消えるわけでもない。
これではiPhoneの容量の無駄になるので、いったんiPhoneのiTunes Matchの設定をオフにして、MacのiTunesにつなぎ、同期していた音楽を全部消した。それでiPhone内の音楽が空っぽになったところで、再び設定でiTunes Matchをオンにした。
こうすることで、iPhoneには音楽が全く入ってないのに、ストリーミングでiCloud上に置いた音楽が聴ける。すばらしい。
今までは、Macで管理している音楽ライブラリの一部をiPhoneで持ち出すイメージだった。そのため、どの曲を持って行くかで悩んだり、入れすぎて容量が足りなくなって悩んだり、聴きたい曲が入ってなくて悩んだりしていた。ところがこれが大逆転。容量は全く消費しないのに、すべての音楽ライブラリが持ち出せる。本当に素晴らしい。
もちろんiPadでも同様にやれる。
マッチする曲、しない曲
iTunes Storeで扱ってない曲がマッチしないのは仕方ない。人によると思うけど、自分としては「結構マッチしなかったな」という印象。もっとマッチすると思ってた。
しかし、マッチできる(iTunes Storeにある)はずなのにしなかった曲もある。例えばアルバムのなかの1曲だけがマッチしない、とかそういう感じ。
確認したところ、リッピングに失敗していて音飛びをしていて、マッチしなかったケースがあった。多少の音飛び(一瞬)ならマッチするけど、盛大な音飛び(1秒程度)だとダメだった。これは仕方無いので、もう一度リッピングする必要がある。
それ以外にも、音飛びじゃないけどマッチしないのもあって、これは理由が不明。困った。
曲名などのタグ情報はどうなるか
曲名などのタグ情報は、アートワークも含め、あくまで自分が入力したものが使用される。自分がリッピングしたデータはもちろんのこと、マッチによってもらった256kbps/AACも、もともとのマッチ元のデータに入力していたタグ情報が引き継がれる。再生回数なども引き継がれるっぽい。iPhoneなどから見た場合も同様。
自分はまあまあちゃんと入力していた方なので、これは安心で嬉しい仕様だった。
一方で、タグを全然整理してなかった人が、音楽データの波形で曲をマッチングしてタグが自動入力してもらえることを期待しているとしたら、期待外れだと思う。
でもiTunes Storeの曲のタグは表記が結構揺れてるからね、自分で入れた方がいいと思う。
リッピングやり直しが大変
マッチしなかった曲もぜひマッチさせたいので、リッピングからやり直したい。しかしCDは押し入れの奥深くにしまっているため、カンタンにはやれない。これをやり直すくらいなら、レンタル屋で借りてきた方がよさそう。
ってことで、マッチしなかった曲の一覧を作って、レンタル屋で借りてきてリッピングやり直そうと思う。CDのリッピングは違法化になってなかった気がする(DVDはダメなんだよね)。
まとめ
- 良かった点
- 音楽ライブラリのバックアップが取れて安心。今後も全自動でバックアップされる。
- 音質が向上して嬉しい。
- iPhoneに音楽を入れていた分の容量が空いてうれしい。
- 改善して欲しい点
- マッチングに時間がかかる点。処理が止まっても何をやってるときに止まったか分からない点。
- シングル、アルバム、ベストアルバムなどで同じ曲が複製と見なされて1つしかマッチされない点。
- 不適格の理由がわからない点。
- 原因不明でマッチせずにアップロードになっちゃう曲がある点。
なんというか、マッチの精度というか、マッチの仕様についてはもう少し改善して欲しいなという気持ちはあるけど、コンセプトはとっても良いし、これなら年4,000円払っても良いかなっていう感じはある。