ヨドバシの480円/月の250kbpsのMVNO SIMを買ってXperia SXで使ってみた

以前使っていたドコモのXperia SXだけど、その後auのiPhone 5cにMNPしたので、端末が余ってた。別に放置してもよかったんだけど、せっかくドコモの端末なので、MVNOのSIMを買って入れてみた。

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今回は、ヨドバシが売ってるSIMにしてみた。

まあわかると思うけど、上の写真の真ん中の上段にある小さいやつがSIM(下段のカードの穴のところに最初はハマってた)。左がパッケージで、右が今回使う端末Xperia SX

まず単純に480円という金額が安くてよかったのと、契約期間の縛りがないからいつでも解約できるのもよかった。しかし250kbpsという速度はかなり不安ではある。

自分の場合、ソフトバンク回線のiPhone 6iPad mini 2、さらにau回線のiPhone 5c(通話用)を持ってる中で、さらなる追加の1回線になる(さらに仕事用のドコモ回線を持ち歩くこともある)。サブ回線どころかサブサブサブ回線みたいなもんなので、月額1000円程度の数GB通信できるSIMとかですら、ちょっともったいない。そんな中、480円で公衆無線LANも付いてるならまあギリでいいかなって感じ。

Xperia SXは、ドコモ用語の「mini UIM」なので、つまりは「micro SIM」を買えば良い。SMS機能は使わないので無しのやつにした(有りだと月額が+150円)。

購入からセットアップ

とりあえずヨドバシのお店に行って、普通に買うことができた。通販でも買えるっぽいけど今回は店で買った。あとで家に届くとかじゃなく、買って即使える感じだった。お店では、SIM自体の価格として3000円程度払った。手続きとか待ち時間とかはなく、普通にレジで買って終わり。

そして早速Xperia SXSIMカードを入れる。端末を起動してAPNの設定をすると電波がつながった。だけど、ブラウザでどのURLを開いてもワイヤレスゲートのページに飛ばされるようになってるので、その画面から会員登録とクレジットカード払いの設定を行う。最後に、専用アプリのインストール。このアプリは高速通信が利用できるプランの人しか使わない気がするけど、まあ説明書に入れろって書いてあったので入れた。

それだけ。超簡単だった。

通信速度はまあまあ

まず気になるのは250kbpsの通信速度はどうなのかという点。

おなじみのRBB TODAY SPEED TESTで測定してみると、

  • 下り : 0.75Mbps
  • 上り : 0.39Mbps

という結果が出た。250kbps(0.25Mbps)よりはなぜか速い。わかんないけど。

実際にいろいろ通信してみた体感としては、メールとかTwitter2chブラウザならほぼ普通に使える。遅いような気もするけど問題には感じない。

ブラウザの利用は、例えばGoogle検索からWikipediaを開くみたいなテキスト主体のケースなら問題ない。だけど画像が多いページはやはり厳しい。Googleの画像検索やTumblr、あと通販サイトなどはかなり遅く感じる。もちろん、動画は相当厳しい。アプリや電子書籍のダウンロードもだいたい厳しい。あとGoogle Driveで管理してる写真とかを見るのも大変だった。

地図アプリについては、最近はGoogleマップとかもベクターデータだったりするためか、意外と使えた。サクサクとは言わないけど、まあ使えるって感じ。ただし、A-GPSがうまく動作してないためか、GPSによる現在位置の測位に時間がかかってる気がする。A-GPSってのは、携帯の基地局の情報を使ってGPSの速度や精度をアシストする機能のこと。MVNOのSIMではこの基地局情報とうまく連携できなくてA-GPSが効かないらしい。これはこのSIMの250kbpsの通信速度の問題じゃなく、MVNOのSIM全般の問題なのかな。

まあそんなわけで、250kbpsの通信速度は、意外といけた。

メイン回線が速度制限されたときのバックアップにいい

メインで使ってる普通のソフトバンク回線の契約のiPhone 6が、ときどき速度制限されることがある。自分の場合は、1ヶ月間7GB制限はまあ大丈夫なんだけど、3日間1GB制限に引っかかることが多い。ある1日でたまたまその日だけで1GBの通信をしちゃうと、翌日から3日間の速度制限。先日も、3日間の旅行があったのにその出発前日にたまたま1GBを超える通信をしちゃって、旅行の間はずっと速度制限だった。制限になると、ほぼ通信できないものと言っていい。iPhoneが全然使い物にならなかった。旅だから、いろいろ使いたいのに。

仕方ないので、iPadを使ったり、iPadテザリングiPhoneから利用するなどしたんだけど、今度はiPadの回線が速度制限になっちゃって、旅の最終日はマジでほぼ通信できない状況だった。つらすぎる。

そんなときも今後はこのSIMなら、速度は250kbpsだけど、ソフトバンクの速度制限のときみたいに通信自体が成立しないようなことはなく、安定して使える。そしてどんなに使っても速度制限にならない。なので、今後はこの回線を、メインやサブの回線が速度制限されちゃったときの奥の手として使おうと思う。

テザリングしてみた

いろいろ苦労したけど、この環境でテザリングしてみた。もともとXperia SXを普通にドコモ回線で使っていた頃は、もちろんテザリングはできていた。しかしこの今のMVNOのSIMだとできない。テザリングをONにすると、「テザリング中にエラーが起きました」となる。

原因は、APN。これは端末が通信するために使う回線業者のアクセスポイントの設定なんだけど、このXperia SXはドコモの機種なので、デフォルトではドコモのAPNが設定されている。これを、今回のSIMを入れた際に設定画面でワイヤレスゲートのAPNに変更して使っている。しかし、テザリングをONにすると、さらに別なAPNにつながるようになってるらしい。そしてその接続先は設定画面では変更できない。

つまり、通常用とテザリング用のAPNがあり、どちらも最初はドコモのAPNが設定されている。設定画面でMVNOのAPNに変更できるのは前者だけなので、テザリング中はドコモのAPNに接続してしまい、契約してないのでエラーになる、というわけ。

ググったところ、解決策があった。まあいろいろあったけど自分の場合に有効だったのはこれ。

すばらしい。テザリングのときに別なAPNに接続する仕様をOFFにする設定が実はあり、画面からは設定できないけど、設定値を格納してるデータを直接書き換えれば変更可能ということらしい。

しかしこれはAndroid4.2以降で使えるやり方らしい。Xperia SXはAndroid4.1.2なのでこのままでは無理。

そこでこのコメントを見ると、Android4.1.2のやり方が書いてあった。

手順

そんなわけで、以下の手順でやってみた。Mac(OS X Yosemite)ね。

つまり何をやってるかというと。。。

最終的にやりたいのは、端末内の設定を書き換えたい。「tether_dun_required」という設定を「0」にしたい。その設定は画面からは変更できないので、コマンドを打ちたい。コマンドを打つためにはUSBでつないだMac側からadb shellでシェルに入りたい。

そのためには、端末側ではUSBデバッグを有効にする必要があって、そのためには開発者向けオプションの隠し機能を出すために、ビルド番号を連打する。

さらにMacでadbを使えるようにするためにPlatform-toolsを入れる必要があって、そのためにSDKを入れる必要があって、そのためにJDKが必要。

まあそんな感じ。手順の意味を理解すれば、どんなやり方でやってもいいと思う。

こうやって頑張ったところ、無事にテザリングが使えるようになった。iPhoneMacからつないでみたけど、問題なく通信できた。テザリングでつないだiPhoneから速度テストしてみたけど、特にスピードが落ちてる感じもしなかった。

どう使うか

とりあえずは上記に書いたように、遅いけども通信制限がかからない回線ということで、メインのiPhoneが速度制限されちゃったときのための予備として使える。テザリングもできるようにしたので、直接このXperia SXを操作しなくても、制限されたiPhoneを使い続けることもできる。A-GPSの問題も、Xperia SXテザリング機にして普通にiPhoneから地図を見れば問題ない。

あとは、おサイフケータイ搭載ってことで、モバイルSuicaなども使える。

もちろん普通のAndroid端末なので、Androidの動作確認とかにも使える(ちょっとOS古いけどね)。

メイン回線をMVNOにするのはまだ怖い

最近は、メイン回線をMVNOのSIMにしてる人もいる。安かったり縛りがなかったりするので、それでうまくやれてる人はいいなーと思うけど、いざ自分が変えるとなるといろいろあってまだ踏み切れない。

  • OSのアップデートで急に使えなくなったり、一部機能が失われたりすることがあり、その際にMVNOの提供元としてApple等に働きかけて何とか解決することがあまり期待できない、自衛のためにアップデートしないように気をつけたりするのがイヤだし情報収集も面倒
  • サービス内容や料金を重視して選ぶという前提があるため、競争が激しくてもっと良い他社が出てきたときには乗り換えたいわけで、常に動向をチェックするのが面倒
  • 電話もしたいしパケット通信も5GBくらいは使いたいし、最新の端末を買って2年程度で機種変更したいので、意外と大手キャリアの用意してるプランにマッチしている。そして自分の場合、別にMVNOに変えてもそこまで安くならない。

そんな感じで、悪くないとは思うし、きっかけさえあれば変えてもいいとは思うんだけど、常にいろいろ心配して情報をチェックしながら使う手間がかかる割にはそこまで安いわけじゃないかなっていうのが今のところのイメージ。しかし最近は大手キャリアは通話定額を推していたりとかで、自分の使い方とマッチしなくなってきているので、どこかのタイミングで乗り換える可能性はあるかも。

MVNOに変えてもそこまで安くならない例

例えば今現在、ソフトバンクの旧プラン(ホワイトプラン+7GBパケット通信)でiPhone 6の64GBモデルを24分割で買って、各種割引が効いていて、毎月変動する通話料を除くと、だいたい月に6000円くらい実際に払ってる。

一方で、例えばIIJmioの5GBプランとSIMフリーiPhone6の64GBを24回払いで金利無しで買えたとしても、今だと6600円くらいだと思う。

自分がiPhone6を買ったときはまだ円安が反映される前だったのもあるし、ソフトバンクの料金はいろんな割引を効かせてるので、人によって適用されるかどうかは色々でもある。端末がSIMロックかどうかという点でも違うし、2年縛りの有無も違う。単純には比較できない。一般的な比較というよりは、あくまで自分の場合の比較なので注意して欲しい。

しかし、これに加えて、さらにiPadソフトバンク回線にもセット割が効いて、7GBのプランをたった1800円で利用できているし、自分はやってないけど自宅のブロードバンド回線もセットにしたら安いというのも最近はある。

そんなわけで、MVNO検討してる人は本当に安くなるのかよく計算してみるといいと思う。

まあとりあえずお試しとして

まあ480円だし、契約期間の縛りもないので、今回はそこまで真剣に考えて決めたわけでもないし、今後の回線をどうしていくかの計画があるわけでもない。

単に、Xperia SXがあるけど解約してからは家でしか使ってなくて、それもフリーズしたときにどうしようもなくて(調べるの面倒で)放置してたんだけど、たまたま暇だったから色々リセットを試してみたら再び動くようになったので、この機会になんかSIM入れてみようかなと思ってやってみた、というだけ。

そして、やってみた結果、意外と使えるじゃんってことがわかったので、これから興味を持っていろいろ考えていくかもしれない。

携帯電話って意外と難しくて、最新機種でいろいろ試したりしたいコンピュータおもちゃでもあるけど、大事な連絡や緊急時にも安心して使いたいインフラでもある。端末も回線もお金かかるし、荷物になったりバッテリーの管理も大変なので複数持つのも限界がある。いい感じのバランスを見つけていきたい。