Surface RTを買った
最後までどうするか悩んだけど買った。
Surface RTの32GBモデルで、Touch Coverは白。ヨドバシ.comで発売日の前日に予約注文したんだけど、ちゃんと翌日に届いた。品薄ではないらしい。
感想
以下は、端末とOSを区別しないようにしている。
- 結構キレイなパッケージなんだけど、紙に貼られたシールをはがす場面がいくつかあって、無傷で開けるのは難しい。
- 持った感じ、金属なので高級感はあるけど、ズッシリ感もあった。
- かなり細長く感じる。iPadと比べると、短辺は1cm以上短く、長辺は3cm以上長い。
- そのためか、縦画面で使うと違和感ある。
- Touch Cover的にも、カメラやスピーカーやWinボタンの位置を考えても、横画面で使うことを強く推奨されてる感じ。
- キックスタンドは、デザイン的にはあんまり好きじゃない(機能美っていう感じがしない)けど、まあ仕組みとしては悪くない。普通に便利。
- Touch Coverは微妙だけど悪くないという印象。
- 日本語配列しか買えないっぽいので、USキーボード派の人は輸入など頑張らないといけないらしい。
- キーはクリック感がないので押し心地は最悪だけど、配列とかはキレイにまとまってるので、それなりに打ちやすい。
- さらにトラックパッドもあって、マウスカーソルを動かしてクリックなどができる。外付けキーボードで文字入力はできてもクリックは画面をタップするしかないiPadにくらべて、これは新鮮であり懐かしい感覚。しかしパッド部分が小さく、さわり心地も悪いのが残念。
- トラックパッドは2本指スクロールに対応している。OS Xで言うところのLion以降に搭載されたナチュラルスクロール。Macユーザーなら簡単に使えると思う。
- 机に置かずに手に持って使う場合は、Touch Coverは本体裏まで開いちゃってキーボードとしては使わないわけだけど、本体の角度なのかなんなのかを認識して、自動でキーボードが無効になるようになってる気がする。仕組みがよくわからないけど頑張ってると思う。
- 充電アダプタが付属しているけど、コンセントにつなぐタイプで、USBではない。また、本体側の端子はMagSafeパクリなので非常に便利。
- 体感速度はサクサク。タッチの反応もいいし、スクロールも非常になめらかで、iPadと同じかそれ以上。Nexus 7と比べたら大差で圧勝に感じた。
- 買ったのは32GBモデルなんだけど、初期状態で空き容量が16.8GBなのはウワサ通り。
- まあ個人的にはこの容量の数値はどうでもよくて、大事なのは「それによって、この端末が使い物にならないのか、問題なく使えるのか」だと思ってる。それがわかるのはもう少し先の話なのかな。
- Wi-Fiは5GHz対応だった。すばらしい。
- Office(Word, Excel, PowerPoint, OneNote)が最初から入ってる。Modern UIではなくデスクトップモードで利用する。
- デスクトップモード、こんなものはWindowsRTからは排除すればよかったのに、と思う。
- タッチパネルでこれを使うのは厳しい。Touch Coverを使ってトラックパッドでカーソル移動させないと、ボタンが小さいし、いちいちウィンドウサイズを調整するのが面倒すぎて、日常的に使うのはつらすぎる。
- デスクトップモードでは、Officeだけじゃなく、IEのデスクトップ版もある。あとエクスプローラもある。
- さらに探してみたら、メモ帳やペイント、コマンドプロンプトなどもあった。一応ミニミニWindowsという感じ。
- 個人的には楽しいけど、PCは難しいからタブレットにするという人には、このモードのせいでオススメできない。エクスプローラでファイル管理とか、コントロールパネルで設定とか、もうやりたくないでしょ。
- IEは、Modern UI版とデスクトップ版で、お気に入りが共有になってる。デスクトップ版の方ではブックマークレットの登録とかもできるので、それをModern UIの方で使うこともできる。
- Modern UIは、とっつきにくいけど慣れればまあまあ、という感じ。
- 画面上にボタンなどが一切なくて、上下左右からスライドしてきてメニュー(チャームとか言うの?)を出して、そこから操作するのが基本。
- 主にアプリに関する機能は上下で、タスク切り替えは左とか、決まりがあるんだけど、最初は意味わかんないと思う。
- 特にタスク切り替えは難しかった。しかし理解できれば結構よくできてるので便利ではある。
- 画面分割はかなり気に入った。画面が横長だからこそできるのかも知れないけど、これはなかなか良い。
- アプリはWindowsストアからしかインストールできないんだけど、そのストアが全然ダメ。まずアプリのラインナップがおかしい。どっかのサイトをアプリ化したような、広告的なやつばっかり。道具として便利なものがほとんどない。
- しかも検索が全然使い物にならない。「SSH」で検索したら何も出なかったからアプリ無いのかと思ったけど、ググったらあった。
- 今後に期待するしか無い。
使いどころ
まあよくわかんないけど考えてみた。
ネット端末としてどうか
- ブラウザはまあまあ。Windowsだからフォントはひどいけど、タッチの操作性が良い。
- Flashも搭載してるので、見たい人にはいいと思う。
- livedoor ReaderやTumblrはそのまま使えた。Touch Coverでキーボードショートカットも使える。
- メール機能はひどすぎる。なんの工夫もなく、ただただ見た目を貧相にしただけのメールソフト。なんだこれ。
- 一応、メールの読み書きはできますよ、というレベル。まったく使いやすいと思わなかった。
- Twitterクライアントがいいのがない。検索が使い物にならないので見つけられないだけかも知れないけど、Twitter公式アプリはリストに対応してないので全然ダメだった。今はTweetro+という有料のアプリを、いろいろ気に入ってないけど我慢しながら使ってる。
- しかしブラウザでTweetDeckなどを使うこともできる。
- 結局、3日間使って、今のところ以下のような形で落ち着いてる
- キーボードがまあまあなので、閲覧だけじゃなく、投稿もいけると思う。
- Dropboxのアプリをインストールしたら、ファイル選択ダイアログにDropboxが統合された。これは結構すごい。
パソコンとしてどうか
- Officeは、マクロ非対応なこと以外は充分にマトモなものので、仕事でも使えると思う。
- これ1台だけってのはストレスもあるかも知れないけど、持ち歩き用としては悪くない。
- 頻繁にOfficeを使って資料を作ったりする仕事の人は大変だけど、定型フォームに入れることが大半だという人には充分に思える。
- しかしメールがひどいので。。。
Officeとメール以外、仕事でパソコン使う人ってどんなことやってるんだっけ?忘れちゃった。
その業種のための専用ソフトとかは、Webベースじゃない限りは動かないのは言うまでも無い。
開発環境としてどうか
- メモ帳があるのでとりあえずテキストファイルは書ける。
- cscriptやwscriptがあるので、jsで書いたスクリプト(WSH)を動作させたりできる。
- csc.exeも入っていて、C#のコードをコンパイルすることはできたけど、実行することはできなかった。
- Windowsストアから入れたアプリしか起動できないという制限によるものだと思う。
- PowerShellも入っていたけど、System.Windows.Forms.Formなどのクラスをインスタンス化できない制限がかかっているので、たいして使えない。
- SSHやリモートデスクトップやVNCのアプリはあったので、別なマシンに接続して操作することはできる。
- (全部のことができるのかはわからないけど)jsdo.itやwonderflは普通に動作したので、そっちでは開発を楽しめそう。
なんとか本体でWSH以上のことができるようにならないかなー。自作アプリを動かせるようにする脱獄はあるみたいだけど、そういうんじゃなく正規の方法でやりたい。もしやれたら、セキュリティホールということで修正されちゃうのかな。
どういうときに選べばいいか
値段で言えば同容量のiPadよりも多くのAndroidよりもちょっとしたノートPCよりも高い。しかし、フル機能のWindowsが入っているわけでもない。それでもSurface RTを選ぶというのは、どういうときなのか。
みたいな感じかな。タブレットを買う場合、おそらくまずはiPadを検討するんだろうけど、キーボード、Flash、Officeあたりの点で、今の自分のPC利用方法から移行できるのかが心配、という人には向いてるということなのかもしれない。
でも、そこまでして形状がタブレットであることにこだわらなくてもいいような気がするけどね。普通にノートPC買えば良いんじゃないのっていうのはある。まあいいけど。
比べてみた
iPadとMacBook Airの間の製品っていう感じがしているので比べてみた。
iPadと比べてみた
とりあえず見た感じからiPadの競合としてとらえられると思うけど、どんなもんかな。
- iPadが勝ってる点
こうして見ると、iPadのいいところは、シェアが高い点と、同じくシェアが高いiPhoneとの連携部分が大きい気がする。一方でSurface RTのいいところは、レガシーとも言われかねない技術(キーボード、Flash、Office、USBメモリやmicroSD)がまだ現役で使える点。
MacBook Airと比べてみた
それからMBAの11インチと比べてみた。「いろんなWindowsのソフトが使える」という部分が無いという点でMacもWindows RTも同じなので、その意味でかなり競合している気がする。
- Surface RTが勝ってる点
- 値段が安い
- 持ち運びしやすい
- バッテリー長持ち
- Officeがちゃんと使える
- タッチパネルですいすい操作できる
- (結局はタブレットだから)机のないところでも無理なく使える
MBAは、なんだかんだ言っても普通にパソコンなところがやはり強い。だけどそのまま同じ理由によって手軽さではSurface RTの方が強い部分もあるので、人によっては悩むと思う。
まとめ
iPadとMacBook Airの間の製品、もっと言えばタブレットとノートPCの間の製品ということなんだろうけど、いかにも中途半端になりそうなところを、「Officeがちゃんと使える」という一点で、それなりに多くの人にとって検討に値するレベルに持ってきてるのはすごいと思う。
しかしまあ自分の場合はOfficeに特に魅力を感じてないので「普段持ち歩いているiPad miniとMacBook Airのどちらか(もしくは両方)を家に置いて、代わりにSurface RTを持ち歩けばどうか」と言われると、それじゃ中途半端なのでイヤだってなるけどね。
むしろ自分が使った感じでは、家の中でしかるべき場所に設置してあるMac/PCをわざわざ使うほどでもない作業(だけどキーボードは結構打ちたい)というときにすごく便利だった。具体的に言うとLDRを軸足としてWebをいろいろ見てブクマしたりツイートしたりしたいだけのとき。
自分は臨時収入で買ったからいいけど、本来は安いものでも無いと思うので、なかなか買う勇気は出ない気がする。よっぽど明確に「Office使いたいけどPCはイヤだ」という事情でもない限りは、一応やめといた方がいいとは思う。