ネットワーク経由のTime Machineをやってみた

Macを使うなら、やっぱりTime Machineをやりたい。バックアップシステムとしても良くできてるし、環境を移行するときとかも簡単にできるようになる。

でも標準のままだと、Time Machineのバックアップ先に使えるHDDは、USBでMacBookに接続するか、ネットワーク上のTime Capsuleじゃないとダメらしい。せっかくのノートブックなので、いちいちUSBでHDDを接続するのはイヤだ。しかしTime Capsuleは高くて買えない。500GBで定価35,800円。

Apple Time Capsule 500GB MB276J/A

Apple Time Capsule 500GB MB276J/A

せっかくTime Machine用にHDDを買うなら、500GBとかよりも1TBあたりを買った方がコストパフォーマンスが良い。しかし、せっかく1TBを買うなら、パーティションを分けて半分は普通のファイル置き場としても使いたい。そうじゃないともったいないよね。ケチかも知れないけど。

目的

HDDを用意

まず、安く売ってたHDDを買ってきた。Seagateの「ST31000333AS」。SATA2接続で7200rpm、キャッシュ32MBの3.5インチ内蔵HDD。容量は1TBで、7,880円。安くなったもんだ。

Seagate 3.5インチ内蔵HDD 1TB 7200rpm S-ATA/300 32MB ST31000333AS バルク品

Seagate 3.5インチ内蔵HDD 1TB 7200rpm S-ATA/300 32MB ST31000333AS バルク品

この記事を見る時期にもよるけど、Amazonはまだ高いね。今見たら14,724円だった。

このHDDはSATA2接続。だけど我が家の常時起動しているサーバ用Windowsマシンは、かなり古いやつなのでSATA2が使えない。ってことで、USB2.0外付けケースも買ってきた。TIMELYの「SATA2-CASE3.5」。条件に合う中で一番安いやつ。1,990円だった。Amazonでは扱ってない。

ドライバーなどの工具が不要なのはいいね。確かに簡単だった。買ったばかりのHDDをケースに入れて、USBでWindows 2000マシンに接続しただけで認識した。つまりドライバも不要。

FAT32でフォーマット

大容量のFAT32パーティションを作りたいんだけど、Windows 2000以降の標準機能ではやれないので、Buffaloが配布しているDisk Formatterを使った。NTFSならできたんだけど、後述する理由によってあえてFAT32にしている。

1TBのうち500GBをTime Machine用にFAT32でフォーマットし、tmというフォルダを作って共有にしておく。残りの500GBは、普通にファイル置き場として使うので、NTFSでフォーマットしちゃっても良い。

iTimeMachine

Time Machineは、最初に書いたようにMacにUSB接続したHDDか、ネットワーク上のTime Capsuleじゃないと本来は使えないんだけど、これをネットワーク上の共有フォルダでやれるようにするツールがある。それが「iTimeMachine」。すばらしいなあ。

ってことでiTime Machineを使って、共有になっているtmフォルダを指定してTime Machineでバックアップ開始。

エラー

バックアップが開始したけど、しばらくしたらエラーになった。

バックアップディスクイメージを作成できませんでした

これはiTimeMachineを使った場合はそうなるもんらしい。これに対処していく。

もう一度バックアップをやってみて、やっている途中にWindowsマシンの方からtmフォルダの中身を見てみると、「Macのコンピュータ名_16進数文字列.sparsebundle」というファイルが作られている。このファイル名をメモっておく。

エラーメッセージによると、ディスクイメージの作成で失敗しているので、手動で作成してしまえば良いらしい。その為にファイル名だけメモっておくわけだ。

いったんMacにつないでディスクイメージを作る

WindowsマシンにつないでいたHDDをいったん外してMacに接続する。

そして、Macを操作して、さっき作ったtmフォルダ内にディスクイメージを手動で作成する。

ディスクユーティリティを起動し、メニューから「ファイル-新規-空のディスクイメージ」と進む。あとは設定内容を指定して、ディスクイメージを作る。

  • ファイル名 : 先ほどメモっておいたファイル名(場所はtmフォルダ)
  • ボリューム名 : 何でも良い?
  • ボリュームサイズ : 500GB(バックアップ先HDDパーティションの容量)
  • ボリュームフォーマット : Mac OS 拡張 (ジャーナリング)
  • 暗号化 : なし
  • パーティション : ハードディスク
  • イメージフォーマット : スパースバンドル・ディスクイメージ

こんな設定で作ればいいっぽい。

ちなみに、こうやってMacにつないでファイルを作るために、あえてFAT32でフォーマットした。NTFSだとMacから書き込めないので(そういうのができるようにするツールもあるので、そっちを使えばNTFSでもできるのかも知れないけど今回は試してない)。

いよいよバックアップ開始

ディスクイメージが作成されたら、もう一度HDDをWindowsマシンにつなぎ直し、iTimeMachineを使って共有されているtmフォルダをバックアップ先として選択してTime Machineを設定する。そしていよいよバックアップ開始。

今度はうまくバックアップが始まった。

バックアップにかかる時間

最初、無線LAN接続でやってたんだけど、1GBあたり40分ほどかかってひどい。全部で38GBくらいだったので、単純計算で25時間...。いったん中断して、普通の有線LANに切り替えてやり直した。GbEでやったら1GBあたり3〜4分ほど。2時間くらいですべて終了した。

初回は全てのファイルをバックアップするから時間がかかるけど、以後は差分バックアップになるので速い。普段は無線LANの人も、初回だけは有線で、しかもできればGbEでやったほうが良いと思う。

復元するときは?

iTimeMachineを使ったやり方でも、ファイル単位で過去のバージョンに戻すときとかは普通に使えるので便利。問題は、環境まるごと復元したりするとき。そういうときはきっとMacが普通に使える状態ではないので、iTimeMachineも使えないと思う。

いったんOSをクリーンインストールするなどして、そこからiTimeMachine入れて復元することになるのかな。やってないのでわからないけど、そんな感じだと思う。

その辺が正直怖い。せっかくバックアップを取っても、復元するときに使えないのでは意味が無い。不安な人は普通のやり方でTime Machineした方が良いと思う。自分もあとになってこのやり方でやったことを後悔するかも。